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21世紀の人財像

国際平和デースピーチ || レオナルド・ディカプリオ

国連平和大使としての役割を担っていただいたことを、(マイケル・)ダグラス氏に感謝します。また、偉大な潘基文国連事務総長や、国連平和大使のみなさん、会場のみなさんと共に、国際平和デーを前にした今宵、この場に立つことができたことを栄誉に思います。

世界平和の意義には、多くの可能性があります。国連平和大使プログラムは、貧困、疫病、人間の苦難など、現代におけるさまざまな差し迫った課題に取り組むために不可欠です。平和の概念に真っ向から反する課題です。

私は、ここ2年の間、気候変動について、みなさんの平和大使を勤めさせていただきました。そこで私が目撃したのは、何百万人もの気候難民を量産する可能性を秘めた、人間が引き起こす、信じがたいほどの地球規模の災害であり、これは平和とはほど遠い未来です。

事務総長の依頼によりこの旅路を始めた頃、干ばつ、洪水、飢餓や、原生熱帯雨林や太古からなる珊瑚礁などの荒廃を止めるには、時はすでに遅いのではないかと危惧しました。

以来、私は、気候変動について受けた衝撃を、今みなさんが洪水の映像の前にご覧になった予告編のようなドキュメンタリーに記録し続けました。私がまず目撃し、みなさんがこれから映像でご覧になる事象は、恐るべきものです。

しかし今すぐにでも手を打てば、今日にでも解決策を見出だし、対策できるという希望を得ることができるでしょう。

一方で、人類はいつまで待ち、このような苦難と自己破壊を耐え忍ばなくてはならないのか、という疑問も提起されます。はたして人類には、化石燃料の利益に対する欲望の力を抑え、我々みんなのものであるこの地球に永続する平和をもたらし、守るだけの英知があるのでしょうか。

昨年10月のパリにて、世界はその答が「イエス」ではないかという期待を抱きました。約200ヵ国が20年ぶりに一堂に会し、地球規模で気候変動に取り組むにほぼ等しい合意に達しました(「気候変動に関する国際連合枠組条約」、通称「パリ協定」を指す)。

この合意の大部分は、潘基文国連事務総長の疲れを知らぬ尽力の賜物です。盛大な拍手を贈りましょう。この協定は、ほんの始まりに過ぎないことは確かです。しかし、地球というこの惑星を破壊から守るには、全世界が協力し、ともに尽力する以外にはすべはありません。

私たちは地球の歴史を変えることができる

基文国連事務総長により設立された“Cities Climate Finance Leadership Alliance”は、50以上もの国連参加国の開発機関や、世界各国の投資機関、R20つまり“Regions of Climate Action(世界気候変化地方政府機構)”が率いるさまざまなNGOから成っています。

このような共同体が、太陽光発電や風力発電、クリーン交通システムをもってして、パリ協定に息吹を吹き込むのです。未来の世代が持続可能な手段で、世界経済から浪費の概念を取り除くのです。

パリ協定のおかげでできた多くのインフラが、減らすべき温室効果ガスを削減し、世界経済を化石燃料からクリーンな再生可能エネルギーへと有意義にシフトさせ、貴重な資源の有効活用へ導きつつあります。

残りの行程は、私たち全員に委ねられています。私たち全員が、自国のリーダーにパリ協定の責務をまっとうさせ、その職務を完遂させなくてはなりません。

私たち全員が、この問題について学び、解決策のために声をあげるべきです。なによりも重要なのは、ことが遅きに失する前に、化石燃料への税控除を廃止し、炭素を含む物の物価を上げ、再生可能エネルギーへの100パーセント転換を速やかに達成させるなど、きちんと対策を打つリーダーを選出することです。

私たちは消費者として、これらの問題に理解があって、持続可能な低炭素製品やサービスを世界に提供する企業をサポートしなくてはなりません。

私たちは、気候変動がすでに海、都市、農地、健康ほか、身の回りのすべての自然を浸蝕しつつあるという、厳しい現実を啓蒙する共同体を支援し、ボランティアとして参加するべきです。

私たちはあまりにも長く手をこまねいて来たため、その結果に苦しめられて来ました。

一方で、私が目にしたのは、平和や気候変動を解決に導く種です。学校でアイデアやイノベーションを植え付けられる子供たち、世界中の指導者、起業家、心あるリーダー、母親、父親のみなさんです。

私たちはこのような、行動を起こそうなのです。

会場の友人のみなさん。今日、私がみなさんへお届けしたこのメッセージは、もうひとりの平和大使、偉大なるマハトマ・ガンジーのこの言葉に集約されます。彼は言いました。

「体は小さくとも、使命感のなかで、消すことのできない信念に燃える強い意志は、歴史を変えることができる」

今日この日を、私たちが共に強い意志をえることはできると、私は信じています。すべては私たちに委ねられています。

ありがとうございました。

藤原和博氏セミナー「親は子供に何を残せるのか」

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