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21世紀の人財像

人生は選択の積み重ねである || ジェフ・ベゾス

子どもの頃は、テキサスの牧場で祖父母と夏を過ごしていました。風車の修理や牛の予防接種をしたりと色んな手伝いをしました。

午後はいつも一緒にドラマをみたのものです。

祖父母は「キャラバンクラブ」に入っていました。このクラブはAirstreamのトレーラーを所有している人の集まりで皆で一緒にアメリカやカナダを旅するんです。

わたしたちもよくこのキャラバンに参加していました。

祖父の車にAirstreamをくっつけて300台ぐらいの車が一緒でした。私は祖父母が大好きで尊敬していました。そしてこの旅行を本当に楽しみにしていました。

アル旅行のときのことです。私は10歳くらいのときです。車の後部座席のベンチシートでごろごろとしていました。

祖父が運転をし祖母は助手席に座っていました。祖母はずっとたばこを吸っていて私はそのにおいが大嫌いでした。

その頃の私は暇つぶしに算数の計算をして遊ぶのが好きで、ガソリンのマイレージを計算したり、意味も無いのに食料品の出費の統計を出したりしていました。

その頃あるたばこのキャンペーンをやっていてくわしくは覚えていないのですが、たばこをすうたびに数分寿命が縮まると言うような内容で「たしか1口数ごとに2分縮まる」だったと記憶しています。

私は祖父母のために計算してみようと思い立って、一日吸う本数と一本で何口吸うのかをけいさんしてみました。

満足の行く計算ができたわたしは後ろの後部座席からひょいと頭を突きだして、祖母の肩をぽんぽんと叩いて誇らしげにこういいました。

「1回吸うごとに2分だとするとおばあちゃんは9年寿命が縮まったことになるよ」

そのときのことはいまでもはっきりと覚えています。

想像していたのとは全く違うことが起こったのです。私は自分の賢さと計算ができることを褒められると思っていました。

「ジェフ、こんな難しい計算ができるなんてすごいな!割り算までできるのか」

そうはなりませんでした。

それどころか祖母は突然泣き出しました。私は後部座席に座っていてどうしたらいいかわからないままでいました。

祖母は泣いています。祖父は黙って運転していましたが、しばらくすると路肩に車を停めました。

祖父は車を降りて後部座席のドアを開けました。

「何かやらかしちゃったかな?」

祖父は知的で物静かな人でした。祖父にしかられたことは一度もありませんでしたが始めてしかられるかもしれない車に戻って祖母に謝るように言われるのだろうか、そんな状況は初めてでどうなるのか全く予測ができませんでした。

祖父はトレーラーのそばで立ち止まりました。私をみてしばらく沈黙し、優しく落ち着いた口調で言いました。

ジェフ、いつかお前にもわかるだろう、賢い人になるより優しい人になるほうが難しいと私が皆さんに伝えたいのは才能と選択の違いについてです。

賢さは才能ですが優しさは選択です。才能を使うのは簡単ですすでに与えられているものですから、選択はもっと難し。才能はあなたを惑わせ選択を誤らせることもあります。

ここにいるみなさんはたくさんの才能に恵まれていると思います。その才能の一つは賢さでしょう。高い競争率のこの大学に入学できたというのが何よりの証です。

賢くなければ入学できていないでしょうから。人生において賢さは非常に役に立ちます。

人類の日々進化しその進歩に我々自身が驚くこともあります。クリーンエネルギーを発明したり、細胞の中に入って修復するような機械も開発されるでしょう脳の仕組みが解明される日もそう遠くないと思っています。

ジュール・ヴェルヌ、マーク・トウェイン、ガリレオ、ニュートン、好奇心旺盛な過去の偉人達は今の時代を生きてみたいと思ったでしょう。

技術の進歩によって我々はたくさんの恩恵を受けます。ここにいる皆さん一人ひとりが才能に恵まれているのと同じように、その才能を皆さんはどう使いますか?

皆さんが誇りに思うのは自分の才能ですか?それも自分の選択でしょうか?

アマゾンのアイディアを思いついたのは16年前のことです。ウェブの成長は年に2300%という驚異的な伸び率でこれほどのスピードで成長するものはみたことも聞いたこともありませんでした。

何百万者タイトルの本を扱うオンライン書店のアイディアに実社会には存在しないものですが、私はとてもワクワクしました。

私は30歳になり、結婚して1年経ったところでした。私の妻はマッケンジーに言いました。仕事を辞めてクレイジーなアイディアを試してみたいとおそらくうまくいかないだろうしどのような会社もやらないようなことでこの先どうなるかもわからない。マッケンジーもプリストンの卒業生で今日は2列目に座っていますがやるべきだといってくれました。

小さいことはよくガレージで発明をしていました。セメントを詰めたタイヤを使って門を自動で閉めるようにしたり、太陽熱をりようした調理器は傘とアルミホイルではできませんでした。

進入しようとする兄弟を捕まえる仕掛けをオーブンの焼き型で作ったりもしました、私はいつも発明家になりたいと思っていて妻はその情熱に従うべきだと言ってくれました。

私はニューヨークの金融機関で働いていました。一緒に働いていたのは非常に優秀な人たちで、私にはとても尊敬する上司がいました。

ある日上司のところへ行ってインターネット販売するビジネスを始めようと思っていると告げました。

上司は私をセントラルパークへ散歩に連れ出しました。じっくりと話をきいてくれた後にとても素晴らしいアイディアだと言ってくれました。

しかしそういうことは仕事をしていない人がやることじゃないかと。

彼の言うことは一理あるなと思いました。上司は最終的な決断をする前に48時間考えるようにと助言してくれました。

これは非常に難しい選択でしたが、最終的にやってみることにしました。挑戦して失敗しても後悔はしないだろうと思ったからです。

しかしやらなければ一生後悔するだろうと何度も考えた結果、私は情熱に従ってより安全ではないほうの道を選びました。そしてその選択は正しかったと思っています。

明日からは新たな人生が始まります。あなた自身の手で切り開いていく人生が、あなた自身の才能を何に使いますか?どんな選択をするのでしょう?

惰性で生きるのか、それとも情熱にしたがうのか、社会の慣例に従うのか、それとも独創的になるのか、楽で簡単な道を選ぶのか、それとも骨の折れる険しい道を選ぶのか、批判されたら邯鄲に諦めてしまうのか、それとも信念を貫きとおすのか、間違えたときに言い訳をしてごまかすのか、それとも素直に謝るのか、拒絶を恐れて自分の殻に閉じこもるのか、それとも故意に落ちたときには気持ちを伝えるのか、リスクをさけるのか、それとも思い切って冒険してみるのか困難に直面したらすぐに諦めてしまうのか、それとも歯を食いしばって乗り越えるのか、ただ批判する人になるのか、それとも何かを創りだす人になるのか、人を傷つけてまで賢い人になろうとするのか、それとも優しい人になるのか、

ちょっと想像してみましょう

貴方が80歳になって、これまでの人生を静かに振り返る瞬間のことを、自分自身の人生を思い返したときにあなたは気づくでしょう。

人生とはあなたがしてきた選択の連続だったと言うことに、全ては選択の積み重ねなのです、どうか素晴らしいストーリーを築いてください。

ありがとう

みなさんの幸運をお祈りします。

藤原和博氏セミナー「親は子供に何を残せるのか」

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